少し前の朝日新聞HPに「論文ボーッと書いてんじゃねーよ 読まれるテクとは」という記事が載った。気になったので読み始めたが、肝心なところから有料記事となったので、元論文を読んでみた。
著者たちは、130本の論文のアブストラクト部分について、11項目に分けて解析を行った(各項目は、朝日の記事や元論文を参照ください)。結果は、100回以上引用されている論文は、単語数が少ない、一人称の記述(I 〜、We 〜)、発見内容の条件の記述(世界の海で、過去20年にわたって、など)、接続詞による思考の流れの明瞭化、句読点の適切な使用、語句使用の一貫性、名詞の羅列や略語の最小限での使用などがみられた。もちろん、論文中に、これらの多様な組み合わせが使われていることが重要らしい。一方、100回未満引用された論文では、高引用率の論文に見られる特徴も見られるが、ネガティブな書き方(名詞の羅列や略語の使用)になるらしい。
論文は結果がすべてかと考えがちだが、書き方にも気をつけないといけない。結果を一人称で明瞭に記述すると、論文の印象は良くなる。昔ながらの受動態の文章が中心で、接続詞の使用もいまいち、淡々と長文が続くと、やはり思考の流れが掴みにくくなり、雑誌のエディターだけでなく、レビュワーも読みにくいだろう。そうなると、アクセプト率も低くなることとなる。当たり前だが、読者目線で書く必要があるということだ。これは、論文に限ったことではない。
先日投稿した論文、今考えるとあんまり読者目線になってなかったかも。
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